このコーナーでは、ちょっと物足りない過去絵を修正・加筆しています。
イラストの物足りない点の見分け方、修正加筆の手順について、少しでもイラストを描かれる方の参考になれば幸いです。
今回のお題絵
これは本当に落描きで適当に描き始めたら、筆が乗ってきてここまで描いちゃっただけの絵です。
構図もわけわからないし、何描いてるのかすらわけわからないのですが、なにやら勢いだけはあるのでちょっと加筆してみるかと思い立ちました。
修正の考察
この絵について、まず気になるのは顔です。
あまりにも四角い頭。
さすがにあんまりなのでここに手を入れてみます。
マシになりましたけど、これだけではさすがにつまらないのでもう少し考察してみます。
②頭に奥行きというか、丸みが感じられないので平面的なイラストに見えます。これはこれで悪くはないのですが、もう少しリアルよりにしてもいいかなと思いました。
③頭に奥行きを出すのであれば、体も少し立体的に加筆するべきだと思いました。
④右半分は一体何を表現しているかが謎なので、もう少しストーリーを加えたいと思いました。
この方向性で少し手を動かします。
頭と体に立体感が加わることにより、背景にも立体感が出せそうな感じになりました。
右側に青味を加えることにより色彩の幅が広がり、汚らしい印象が無くなった気もします。
ここからひたすらに描き進めていくのですが、大きなイラストを描くときのコツとして、一枚の絵をいくつかの区画に分けて描くと楽に描けたりします。
たとえば今回のこの絵は、3つの区画に分かれていると考えると格段に描きやすくなります。
①の部分は俯瞰(上から見下ろした風景)です。アイレベルより下なのでここには思い切り俯瞰な背景を描きます。今回は地面に描かれた魔法陣のようなものを描きます。
②の部分はあおり(下から見上げた風景)です。アイレベルより上なのでここには思い切りあおりな背景を描きます。今回は空と飛んでいる龍を描きます。
③の部分は背景を俯瞰に描く事で前に突き出された手を表現する部分となっています。
境界部に線を入れたりあおりでも俯瞰でもない背景(獣のような生き物と、右上の人物のシルエット)を置くことで絵を繋いでいるため、3区画に分けても違和感は出にくいようになっています。
前々回でもこの手法は使っていました(ジェットコースターの線路で二つの区画に分割しています)
一枚の絵を一枚の絵として描くのが難しい、パースを苦手とする方にはこの描き方をオススメします。
ビフォーアフター
修正した絵がこちら。
初めの落描きよりはだいぶ絵として見ごたえが出てきたように思います。
なんかちょっと顔が微妙なので気が向けば加筆修正するかもしれませんが、とりあえずこれにてお終いとします。
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