このコーナーでは、ちょっと物足りない過去絵を修正・加筆しています。
イラストの物足りない点の見分け方、修正加筆の手順について、少しでもイラストを描かれる方の参考になれば幸いです。
今回のお題絵
オリジナル小説のイメージイラストとして描いた絵ですが、あともうちょっとなんとかしたいと思いました。
夕暮れのつもりが朝焼けに見えるし、リアル寄りな画面に似つかわしくないキャラクターのデフォルメ感が残念で気になって。
修正の考察
まず直しておきたいのは色合いです。
デジタル絵の一番の強みと言ってもよい修正方法をご紹介します。
使用しているソフトはPhotoshopCS2です。
まずレイヤーを一枚に統合した絵を複製します。
複製した絵を、イメージ→色調補正→トーンカーブで加工します。
明るさ・コントラストでもコントラストはいじれますが、トーンカーブでいじったほうが自由度が高く、思い通りの仕上がりに持っていきやすいです。
必要に応じてグリーンやブルーもいじり、理想の色合いに変えます。
トーンカーブで物足りなければ、イメージ→色調補正→色相・彩度をいじってみても良いと思います。
色々色調をいじってみたレイヤーを重ねて、不透明度をいじったりして、より理想の色合いを探します。
レイヤータブの「通常」を他のものに変えると、色の混じり方が変わって思ってもみない色調になったりします。
色々やって、落ち着くところを探します。
今回はこんな感じに変更してみました。
次に、おかしなところを直します。
だいぶ直りましたが、もうひと息加筆します。
わたしはパースが苦手なので画面を分割して描くと、自己添削のススメ③で言いましたが、この絵は分割してない一枚絵です。
このような絵の場合、わたしは以下のように分割して考えます。
空や山の部分、空気遠近法で最も霞む部分は「遠景」
少しだけ霞む部分は「中景」
霞まないけど少し遠い所を「近景」
手前の部分を「最近景」
名前は適当です。
今回は4分割ですが、絵のクオリティによって2分割から5分割くらいまで使い分けています。
構図上、一番見てほしいところは「近景」で、普通はここか最近景にキャラを置きます。
キャラクターを並べるのが苦手なので、各ゾーンに一人ずつキャラクターを置くようにしています。そうするとデッサン狂いなど誤魔化しやすいです。
このように分けたゾーン同士の接続部に違和感があると、きれいな一枚絵に見えにくいのでそこを直します。
白線で囲ったところを直しました。
遠景の夕日を受けている感じに、中景の地面に黄色を足しました。
画面の左端が寂しかったので、最近景として石壁を足しました。
ビフォーアフター
最終的にもう一度色調補正をして完成としました。
元絵よりだいぶ絵として見ごたえが出てきたように思います。
関連記事