カテゴリー
イラスト関係記事 自己添削のススメ

【ワンランク上の絵を目指す】小さな絵を大きく描き直す・後編【自己添削のススメ①】

イラストレーターの里華です。

前回の続きです。

※使用ソフトはPhotoshop CS2です。


前半のあらすじ

お題絵。これをポスカサイズに広げます。

 

ここまでやりました。

パーツを散らばらせ、余白を埋める算段を付けれたところまでが前編の内容でした。

詳細は以下記事にあります。

STEP4 イメージを固める

置いておいただけの馬とジェットコースターを具体的にしていきます。

馬の右側の辺りの水がどうも具合がわるいので、氷と水に分けることにします。

水面の位置がはっきりしたので、後ろの背景と前の女の子が馴染んできた気がします。

水が浅いことをはっきりさせるため、女の子の爪先と床のチェック模様を描きました。

全体的なバランスが良くなってきましたが、まだ少し女の子の後ろのあたりが少し寂しいような気がします。

クジラの像を描き足してみました。

同時に水底やらジェットコースターも整えています。

この作業のときにあまり詳細は描き込まないほうがいいんですが(全体的にピントがあっていくように仕上げていくのが望ましい)、わたしはどうしてもイメージを固めたくて部分的に描き足していっちゃいます。

大体のアイテムの配置が終わり、バランスの調整も終わり、色味の調整も終わったので、ここからひたすら仕上げを意識して描き込みます。

 

STEP5 描き込む

この作業はひたすらしんどいです。

仕上げといっても、明確な終わりがあるわけでもなく、自分が納得するか飽きるまで続けます。

いつもわたしはSTEP1~4は作業時間の半分くらいで終わり、あと半分はSTEP5をやっている感じです。

虹色の階段の存在感が埋没していたので、色調を明るくして浮きだたせます。
後ろの空間の奥行きが感じられるようになりました。

女の子の上のあたりを仕上げています。ここだけが暗く描き込みが少なかったので、光などを浮かせて豪華にします。

女の子の体のバランスが悪かったので、試行錯誤しました。

このあたりでわたしの集中力が限界を迎え、無理矢理仕上げる道へと向かいます。

 

完成!

女の子の上のあたりがまだ書き込みが少なく浮いている感じがしますが、今の私の力ではここが限界だと踏んで、完成としました。

またいつか、気が向いたら加筆するかもしれません。

ポストカードには綺麗に印刷できました!

 

参考図書

今回のイラストを描くために購入した資料が上記です。

廃墟になった色々な遊園地の写真が載っています。

廃遊園地をテーマにイラストが描きたい方にオススメです。


関連記事

カテゴリー
ミニチュアダックスのリロくん リアルペットの作り方 羊毛・ペット関係記事

【リアルペット】ミニチュアダックスフンドのぬいぐるみ③【作り方】

羊毛フェルト作家のYuccaです。

現在、細々とオーダーを受けてリアルペットのぬいぐるみを制作しております。

まだまだ修行中の身でありますが、わたしの羊毛フェルト作品の作り方など、進捗報告を交えながらご紹介させていただけたらなと思います。

もしご興味がございましたら、ご覧になってくださいね。


STEP7 体の下地を作る

必要なもの

・ペンチ
・毛糸
・針金
・手芸綿

体を作る際は、針金で骨格を作ります。

こうすることで、体がふにゃふにゃになりません。

上記の写真は違う子を作った際のものですが、基本は同じで、

  • 首から尻尾までをくるくると巻きながら太い一本を作る
  • 前足、後ろ足の部分をくるくると作る

です。

どうせ隠れてしまう部分なので、不格好で構いません。

使用する針金は、太すぎるとフェルティングの際針が当たって邪魔、細すぎるとふにゃふにゃするので、太すぎず細すぎずな感じのものを選んでいます。

針金に毛糸を巻き付けると上に付ける手芸綿がなじみやすくなりますが、面倒なので省いてもいいと思っています。

手芸綿は当然トーカイさんのMOKOがお勧め。


手芸わた モコ(大)300g|クッション・ぬいぐるみなどの中材 トーカイ

MOKOのような固まりやすい綿を使うと、この体の肉付け作業はストレスフリーではかどります。

手芸屋には土台用の羊毛なども売っていますが、手芸綿に比べるとめちゃめちゃ高いので、ぬいぐるみのような大きなものを作るときはどんどん材料がなくなっていく様に手汗をかきます。

MOKO以外の綿を使うと、全然綿が固まらないのでイライラします。

その点MOKOは本当に優秀です。どんだけ使ってもなくならないし、針の一刺しでガンガン固まります。

MOKOを使ってからは他の綿は使えなくなりました。

近所にトーカイさんがある人が羨ましい……。

 

体の下地を作った際の写真を撮り忘れてしまったのですが、頭の大きさと見比べながら体を作ります。

細かいところは色付けの際に調整するので、この時は大体の胴体の太さ、前足後ろ足の位置、尻尾の位置に気を付けつつ綿を固めます。

この時点で綿はあまりガチガチに固まらないように、修正が可能な程度の硬さに保った方がいいと思います。

お座りさせるか、立たせるか、伏せさせるか、大体のポーズはここで決めておくのが無難です。

 


羊毛フェルト ニードル 針 / Clover(クロバー) フェルトパンチャー 3本針

体を固めるのは時間がかかるので、上記のような3本程度のニードルが付けられるものを使った方がいいかもしれません。

わたしは三種類のフェルティングニードルを持っており、1本のもの、3本のもの、8本のものを用途によって使い分けています。

 

 

STEP8 首を付ける

必要なもの

・手芸綿
・羊毛フェルト(茶)

首無し状態の体に首を取り付けます。

首と体の境目が違和感のないように綿で肉付けします。

写真では割りと真上とか斜め上とか、上からの角度のものしかないことが多く、首と体のバランスがわからないことがあります。

Googleなどで画像検索して参考写真を探してもよいですが、わたしはそれプラス、以下のようなものを参考にしています。


立体パズル 4D VISION 動物解剖モデル No.18 犬解剖モデル(再販)[スカイネット]《発売済・在庫品》


送料無料【中古】360°ビジュアル犬種大図鑑—世界の最新人気犬種のスタンダードがひと目でわかる

色々な角度から見れるので、めちゃめちゃわかりやすいです。

リアルペットを作られる方には必須アイテムじゃないかと思います。

 

STEP9 足を作る

必要なもの

・手芸綿
・羊毛フェルト(ベージュ、茶、黒)

体と首のバランスが落ち着きましたら、わたしはまず足を仕上げるようにしています。

特に前足を仕上げると、イメージがだいぶ固まってきます。

前足を作るのはかなり難しいです。

Googleで画像検索などして、基本的な足の構造を頭に叩き込んでからやらないと、全く似ません。

犬は常につま先立ちをしている感じなので、かかとが地面についていません。かかとの部分とひじの部分、親指に当たる部分をうまく表現できたらいい感じになります。

指は一本一本丸めた羊毛を取り付ける感じで付けるとそれっぽいです。

足の裏が白っぽいワンちゃんは、指の間に白っぽい毛を入れてやるとそれっぽくなります。

爪と肉球は最後に付けるので、その時に細かいところは修正します。

後ろ足も同様に肉付けしておきます。

 

 

STEP10 体に色を付ける

必要なもの

・羊毛フェルト(黒、茶、ベージュ、ピンク、白)

モデルのワンちゃんの写真を見ながらひたすら色を付けます。

この時は毛並みとかあまり気にしません。

白の下地からいきなり毛を植えると、ブラッシングをしたとき毛が抜けて白い下地が見えてしまうため、ちゃんと色を付けておいた方が無難です。

尻尾も着色。

お腹は薄ピンクを乗せた後、白い毛をまばらに生やします。

そこまで目に付く部分でもないので、ざっくりとしかやっていません。

お腹の参考写真を送ってくださる方はあまりいないですし、似せるのは難しいです。

 

 

~次回に続きます~

カテゴリー
イラスト関係記事 自己添削のススメ

【ワンランク上の絵を目指す】小さな絵を大きく描き直す・前編【自己添削のススメ①】

イラストレーターの里華です。

十数年前からのそのそとイラストを生産してきました。

今まで本当にたくさんのイラストを描いてきたのですが、イラストを生産する過程で、

「落書きのつもりがなかなかうまく出来た」

「この絵、構図のアイデアはいいんだけどなぁ」

みたいな残念な絵が生まれることってよくあるんじゃないかと思っています。

今回はそんな残念な絵を、サイトのメインに貼れるようなちゃんとした絵に仕上げてみた例を紹介させていただきたいと思います。

絵師を志す皆様の何かの参考にしていただけたら幸いです。

※使用ソフトはPhotoshop CS2です。


今回のお題

このイラストは、とあるサークルに寄稿するために描いたものです。

そのサークルで求められていたのは、500ピクセル×500ピクセルの小さなイラストで、そんなに手の込んだものである必要がありませんでした。

なので気楽な気持ちで好きなものを詰め込んでみたら、結構色合いの面白い絵が描けたなと、一時期とても気に入っておりました。

しかしこんな小さな絵だと、ネット画面で見ることしかできません。(印刷するととても小さくなってしまうのです)

なので、このアイデアを用いて、あたらしいイラストを描くことにしました。

できたら、ポストカード印刷に堪えるサイズで……。

 

STEP1 大きなサイズに

絵の大改造の最初の手順は、絵のキャンバスを大きくすることです。

切り抜きツールを使い、イラストからはみ出すように切り抜きます。

ポストカードにも使えるように、横長サイズに広げます。

それから、絵の解像度をいじります。

Photoshopだと、イメージ→画像解像度 です。

元々のイラストのサイズはこれでした。

解像度300はそこまで悪くない値ですが、500ピクセルはめちゃめちゃ小さいです。

手っ取り早く解像度を600まで上げました。

3000ピクセル程度あれば十分です。

ファイルのサイズとして20Mバイトもあれば大丈夫でしょう。

重すぎると性能の悪いパソコンだと動きが悪くなります……。

 

STEP2 パーツを散らす

絵を大きくする上に縦横比も変わるので、大幅に描き変えないといけません。

しかし折角の良い構図なので、あまりイメージを変えたくありません。

どうするかとりあえず手を動かしながら考えます。

レイヤーを右クリックなどして複製を取っておくと安心です。増やしたレイヤーを切り刻んで画面に広げていきます。

レイヤーの複製
多角選択で移動したいパーツを区切り
移動ツールで動かします

こんな感じかな。適当です。

見やすいように背景に暗い色を置きました。

 

STEP3 アイテムの追加

現在は中央部がスカスカです。どうにかしないといけません。

アイデアを出すために手を動かします。

適当に過去絵の馬を置いたりしてます。

過去絵

割と私がよくやる手法で、昔のイラストや写真素材などをぶっこんで様子を見ます。

廃遊園地のイメージを入れたいので、ジェットコースターの線路っぽいもので、キノコのある幻想世界を区切りました。

このおかげで、左上のゾーンとその他のゾーンという、2区画となる構図がイメージできました。

女の子の顔を描き変えます。元絵の子は人様のキャラクターですので、そのまま使うことはできません。

どうにもうまく女の子と背景がなじまないので、水の部分を向こうまで広げたりしてます。

しかし、どうも馬がしっくりきません。

どこからか拾ってきた馬の写真をぶっこんでます。最後にはちゃんと自絵に置き換えるので許してください。

後ろに壊れたジェットコースターなど置いてみました。

意外と良い感じだなと思ったので、大まかな構図はこんな感じで決定することに。

 

~後編に続きます~ 

カテゴリー
ミニチュアダックスのリロくん リアルペットの作り方 羊毛・ペット関係記事

【リアルペット】ミニチュアダックスフンドのぬいぐるみ②【作り方】

羊毛フェルト作家のYuccaです。

現在、細々とオーダーを受けてリアルペットのぬいぐるみを制作しております。

まだまだ修行中の身でありますが、わたしの羊毛フェルト作品の作り方など、進捗報告を交えながらご紹介させていただけたらなと思います。

もしご興味がございましたら、ご覧になってくださいね。


STEP4 顔の着色

材料

・羊毛フェルト黒、茶、灰

今回使用した羊毛フェルトは以下の三種類です。

<黒>


羊毛フェルト 『ハマナカ フェルト羊毛ソリッド 黒 H440-000-9』 Hamanaka ハマナカ

<茶>


羊毛フルフィール ナチュラル 84 ライトブラウン 40g | 羊毛フェルト フェルト羊毛 材料 用品 手芸 手作り ハンドメイド クラフト オリジナル トーカイ

<灰>

ダイソーの羊毛フェルト、モノトーンアソート

リアルワンちゃんを作る場合には、黒、灰、茶、ベージュ、アイボリー、白、ピンクをできるだけ多種類持っていたほうがいいです。

黒や白は、メーカーによって微妙に色味が違うので、作品を通して同じ商品を使うようにしたほうがいいですよ。

写真を見ながら黒と茶を乗せていきます。前ステップの下地が上手く行っていたらすんなり出来上がるはずです。

違和感があれば、そこは形が間違っているので直します。

この時、肉眼でなく写真を撮って比較したほうがいいですよ。肉眼では微妙なミスに気が付きにくいです。写真の写りがおかしければ、形がおかしいんだと思い、違和感が無くなるまで直しておいたほうが後々楽になります。

目の下に少しだけ灰を入れるとリアルになります。

 

STEP5 鼻の作成

材料

・樹脂粘土(黒)
・粘土用ヘラ
・ボンド
・スプレーニス
樹脂粘土はダイソーのものがお勧め

写真をよく見ながら樹脂粘土を鼻の形に成形します。

この時、細い粘土用のヘラがあると便利です。鼻の穴を成形するのはヘラ(先が耳かきのようになっているもの)がないと難しいですが、爪楊枝などでもできなくはないです。


ステンレススパチュラ SS-2 [造形工具・彫金工具・粘土ヘラ]

鼻は一旦ワンちゃんから離して乾燥させ、固まったらニスで光沢を出します。あまり鼻が濡れていないタイプのワンちゃんは、ニスをしないでもいいと思います。

ニスが乾いたら、ボンドで鼻の位置に接着します。

鼻の位置は、少なくとも正面、横向き、斜め上の三角度で違和感の無いように付けないと、後々大変なことになります。

ダックスフンドのようなマズルの長めのワンちゃんは特に気を付けてくださいね。

 

STEP6 お顔の調整

材料

・羊毛フェルト(ベージュ、白)
・フェルティングニードル(細針)

鼻のボンドが乾燥しましたら、マズル周りの色味を調整します。

以下の色味のものを主に用いました。

<ベージュ>


羊毛フルフィール ナチュラル 79 ライトベージュ 40g | 羊毛フェルト フェルト羊毛 材料 用品 手芸 手作り ハンドメイド クラフト オリジナル トーカイ

 


羊毛フルフィール ナチュラル 78 オフホワイト 40g | 羊毛フェルト フェルト羊毛 材料 用品 手芸 手作り ハンドメイド クラフト オリジナル トーカイ

<白>

ダイソーの羊毛フェルト、モノトーンアソート

口の周りやあごの下が難しいです。

髭の穴はここではまだつけません。

ここであまり根を詰めすぎるといつまでたっても終わらないので、ほどほどにして次の工程へ向かいます。

お顔の最終調整は、一番最後でやります。

 

 

~次回に続きます~

【リアルペット】ミニチュアダックスフンドのぬいぐるみ③【作り方】 | Trifle Space